今回は、プロジェクトマネージャ試験のなかでも、一番難易度が高い午後Ⅰの対策について紹介します。

勉強2

前回の午前対策に続き、今回は午後Ⅰの対策です。

午後Ⅰ問題はなぜ難しいか

午後Ⅰの解答は記述式で、
①問題文の中に解答が書かれているもの
②問題文の内容をもとに、知識を利用して解答を導きだすもの
に分かれます。

ます、各設問が①のパターンか、②のパターンかを誤ると不正解になります。
問題文の中に解答があるのに、自分のことばで解答をしてしまうと、不正解or減点の対象となります。

また、①、②どちらも解答が複数考えられる場合があります。
(実際にIPAの解答例も複数の場合がある)
とくに、業務でプロジェクトマネージャを経験している人は、さまざまなスキルがあるため、そのスキルがじゃまをして、悩んでしまいます。

たとえ現場では正解であっても、試験問題では不正解です。

大手のアイテックやTACなどで、試験後に解答例を公表しますが、この午後Ⅰについては各社解答がバラバラであり、いかにIPAの想定した解答を導きだすかが難しいかわかります。

ただし、午後Ⅰで高得点を狙うことは難しいですが、合格に必要な60点をとるのは対策をおこなうことで可能です。

午後Ⅰ問題の解答手法(4つのポイント)

(1)問題文を読む前に、設問に目を通す

これは、他の試験でも共通することですが、設問を先に読んでおくと、長い問題文を読んだときの効率がアップします。何を問われているかが頭に入っているので、問題文を読みながら、すぐに解答できるものが3割くらいはあります。

(2)プロジェクトの体制図を書く

問題によっては、すでに体制図が記載されていることがありますが、記載されていない場合は、顧客と自社の体制図を書きましょう。問題文にはA社、B社、N課長などが問題文の初めの方に登場しますので、この体制図を書きます。

あたまの中だけで整理していると、途中から、N課長は顧客担当?自社担当?など混乱してきます。体制図を書きながら読むと、理解しやすいです。

(3)キーワードには下線を引く

キーワードとは、つぎのような文章です。
・(1)で先に読んだ設問の解答と思われるところ
⇒設問の番号も合わせて書いておきましょう。
・リスク、課題などマイナスのイメージの文章
(例)
顧客の強い要請により期間を短縮した。
新しいパッケージを採用した。
手作業で***を登録している。
各事業部との調整は不要と想定し・・・

「あれっ」と思うところには、だいたい解答の一部となっています。

この下線を引く作業をしておかないと、解答するときに、また問題文の最初から読み返すことになります。時間制限もあるので、この作業は必ずおこないましょう。

(4)設問の前提条件を見落とさない

当たり前のことですが、ここで間違った解答をしてしまう人がいます。

設問には
「ヒアリングしたT課長の情報を踏まえ、・・・リスクとは何か?」
「S課長が考えた・・・」
「新EDMSの機能面の特性を考慮すると・・・」
という前提条件があります。

試験を作成する人は、解答を絞り込むため(採点しやすいように?)、わざわざ、このような前提を書いています。

「ヒアリングしたT課長の情報を踏まえ・・・」と書かれているのに、ヒアリングとは関係のない解答では減点ではなく、不正解となります。

解答を記入する前に、この前提条件を満たしているかどうかを確認しましょう。

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参考書・問題集

PMBOKのあるひとは、IPAの過去問を5年分ダウンロードすれば十分です。そしてこれを繰り返し解きます。

そうすると、
どうしてIPAの解答例はそうなるか
というのが見えてきます。ほとんどが、難しく考えなくて基本的なことを記述すれば良いということがわかってきます。

なかには?なIPAの解答も若干ありますが、満点を目指すわけではないので気にしません。

PMBOKの知識が不足している人は、つぎの本をお勧めします。
わたしが買ったのは第4版ですが、今後は最新の第5版となります。
午前Ⅱ問題でも、年々PMBOKの問題は増えていますので、買って損はありません。

午後Ⅰ用の参考書や問題集は特に買う必要はありません。
わたしは、過去問に目を通してから、書店で何冊か探してみました。解説が非常に丁寧なものもありましたが、IPAの解答と異なったものを紹介しているので、試験で減点される可能性があり書籍は購入しませんでした。

(繰り返しますが)
IPAのホームページから問題と解答をダウンロードし、
どうしてIPAの解答例はそうなるか
を自分で考えた方が身につきます。書籍の解説を読む時間は無駄です。

午後Ⅰを通過すれば、最後は簡単な(?)午後Ⅱの論文のみです。
論文については次回午後Ⅱ対策を紹介します。